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あんこ業者とは

不動産業界独自の存在

不動産業界では他の職種では通じないような専門用語を使う場合が多く、一般の方には何を意味しているのかわからないものです。
他の業界には恐らく存在していない言葉として有名なのがあんこ業者という言葉です。
あんこ業者とは、売り主の仲介業者と買い主の仲介業者の間に存在している仲介業者のことを示しています。
おまんじゅうの真ん中に餡が挟まっている様子を比喩している言葉です。

以前はあんこ業者が複数存在している不動産取引も珍しくなかったそうです。
現在のようにインターネットで情報収集が容易にできなかった頃には電話やFAXを使って物件情報のやり取りを行っていました。
不動産会社同士の繋がりで情報を共有し合っていましたが、業者から業者へと情報を流すことで契約に至るケースがあったため、あんこ業者が複数存在するという状況になっていました。
当時は情報を他の業者へ流すだけでも仲介手数料を得て稼いでいたという事例も多かったそうです。

現在ではあんこ業者が関わる取引は少なくなったと言われています。
不動産業界同士で物件情報をインターネット上で共有できるようになったことで、あんこ業者の存在が必要なくなったからです。
それでも特殊な物件情報が出た場合には、業者同士の繋がりであんこ業者が発生することもあるようです。

参考:不動産用語の「あんこ」ってなんだ?

あんこ業者が存在している場合

あんこ業者が存在する不動産取引で多いのは中古マンションの売買物件です。
マンションを売りたい人に付く元付業者と、マンションを買いたい人に付く客付業者が存在しています。
元付業者と客付業者の間をとりもつ形として仲介業者があんこ業者として入る場合がありますが、1社だけでなく何社も存在している可能性があります。
元付と客付業者を含めると5~6社になっていることも珍しくないそうです。

こんなにたくさんの業者が存在していると、売り主と買い主の双方にとってデメリットが生じる可能性があるのではないか?と不安を感じる方も少なくありません。
懸念されることは仲介手数料が跳ね上がってしまうのではないかという不安ですが、実際にはその心配はありません。
不動産取引で発生する仲介手数料は上限が定められており、例えば取引額が300万円だった場合には売買金額の4%と決められています。
この金額を超えて仲介手数料が発生することはなく、仲介業者が山分けをする形で分配されます。
どのような金額で分けられるのかはそれぞれの業者が協議をして決められるため、売り主や買い主が知ることもありません。

取引金額が多くなるほど、あんこ業者の数が増える可能性が高いことから、持ち分の協議がなかなかまとまらない可能性があります。
そのため売り主と買い主の契約がスムーズにまとまらないという影響が出る可能性はあるようです。