
一口に不動産業界といっても不動産売買、仲介、管理、賃貸、またその複合など業種としてはさまざまです。
今回は、不動産賃貸において、ターゲットを絞り、扱う物件を選定すことで、リスクヘッジすることができる、学生マンションを扱う不動産会社について詳しく紹介していきます。
学生マンションとは
入居者を大学生だけに絞るのが学生マンションです。そんな学生マンションはターゲットを絞ることでその他の物件と差別化することができます。
差別化することは、今後どんな物件にも大事な要素ですが、学生マンションの特徴として次の点があげられます。
- 学生のみ入居が可能
- 大学の近くにある
- セキュリティーが充実している
- 家賃が一般の賃貸マンションより安い
- 部屋のグレードが高い
- 家具付き・食事つきの物件もある
- 管理人が常住しているので相談できる
- 女性徒専用にする
などなど、利用者となる学生にとってのメリットが特徴としてあげられる。
一方、経営する側にとって、学生マンションのメリットとは何かを見ていこう。
学生マンションを取り巻く環境
賃貸経営で不安なことといえば空室率や家賃の滞納、住人の身元などがありますが、学生マンションならそんな不安を取り除けるという、運営者にもメリットがあります。
この少子高齢者社会において、今後学生の減少も懸念されるので、学生マンションの賃貸経営に危惧を抱いているかもしれません。しかしポイントを抑えれば、メリットも多いのです。
18歳の人口は減っているが、大学進学数はこの50年で倍増!
上記のグラフのように、約50年間の間に18歳の人口は倍増しています。
その中でも大学に進学する割合も
昭和50年(1975年)と比べて、女性の大学入学者数は約19万人増加、進学率も約38ポイント増加
と、文部科学省の大学入学者数等の推移の資料に記載されています。
学生マンション経営のメリット
上記のような状況を鑑みると、学生にターゲット絞ることも一案ですが、いくつか具体的に学生マンションを経営するメリットをあげていきたいと思います。
- 在学中の退去の可能性は低い
- 入退・入居者のサイクルは2〜4年と明確
- 入居者は身元が確かな学生である
- 景気に左右されにくい安定性
さらに、入居シーズンが毎年定まっていることで、募集やメンテナンスなど年間のスケジュールが立てやすくなります。また、学生のため基本親が身元保証人になるので、家賃の延滞リスクも軽減され、身元も確定できるので安心ではないでしょうか。
学生マンション経営で気をつけるべき3つの点
学生マンション経営ならではの気をつける点もあるのでこちらも必ずチェックしておきましょう。
スピード勝負
一方で注意する点としては、1シーズンで一気に集めなければならないためスピードが勝負という点です。
合格発表前に入居手続きを済ますケースも多いため予約受付時期を早め、大学と提携したり、学生向け物件を専門にするポータルサイトなどを利用したりして、学生に絞った情報の発信をおこなうべきでしょう。
差別化を図る
また、他の物件とのサービスを差別化を図るため下記のように学生に適したサービスを付加するなどの必要があるでしょう。
- 食事つき
- 住み込み管理人
- 家具・家電付き
- オートロック
- ラウンジ利用
などなど。
リスクヘッジを考慮する
さらには、大学が移動してしまったり、合併したりするというリスクもあります。
- 学生数の減少のリスク
- 校舎の老朽化の程度
- 国立、公立、私立等大学の種類による差異
- 都心部か地方かによるリスク
- 競合の分析
など、総合的に判断しなけらばならないことはいうまでもありません。
学生マンションなどの学生に絞った賃貸を扱っている不動産会社には、こうした動きや、判断が必要になってくるということを理解しておきましょう。